アジアの安全保障2010-2011-膨らむ中国海軍‐日本の牽制-
当研究所は、1979年より年報『アジアの安全保障』の刊行を通じ、南アジアおよび中央アジアを含むアジア太平洋地域各国の政治・経済・軍事の1年間の動きに関する分析に加え、中長期的な情勢を展望しています。
今年版では、「韓国天安艦艇撃沈事件と連携を強める日米韓」、「中国を意識する印越関係の強化」を「焦点」として取り上げて詳細な分析を行う他、国・地域別の章では日本、アメリカ、ロシア、中国、朝鮮半島等のそれぞれについて内政、経済、対外政策、軍事の点から最近の動きを整理・分析しています。
また、後半の三章では地域協力、軍備管理、テロリズム・国際犯罪という視点から地域横断的に分析を加えています。これらの分析を背景に冒頭の「展望」では2012年にかけての国際的な展望を論じています。ここではオバマ政権の1年間の外交、増大する中国海軍の存在感、そして不安定な日米中関係などに注目しています。
内容の一例を紹介しますと、「焦点」で取り上げられている韓国天安艦撃沈事件については、事件の背景から北朝鮮側の動向分析に加えて、韓国および周辺国の出方や地域安全保障への影響についても触れられており、同事件を複合的に把握するにあたってもきわめて有益です。
各国・地域の章では、それぞれの対外政策と国内政治の動向を踏まえて全体動向を立体的に描き出すことに努めております。民主党鳩山政権の迷走と日米関係の動揺、依然経済不調に悩むアメリカにおいてそれがオバマ政権の安全保障政策に与える影響、いち早く経済不況から立ち直り軍備拡大を加速させながらも、国民の政権に対する不満が高まり脆弱性を抱える中国などです。このような情勢の中、国内統治機構の整備や戦略決定能力の強化、対外的発進力の確保など、まさに我が国の総合的な国力のあり方が改めて問われています。
是非『アジアの安全保障2010-2011』を安全保障のみならずアジア地域について考える上での羅針盤としてご活用ください。
【目次】
第1部 展望と焦点
- 西原 正
- 【展 望】「中国の国力増強とアメリカの静かな牽制」
- 西原 正
- 【焦点1】「韓国天安艦撃沈事件と連携を強める日米韓」
- 笠井 亮平
- 【焦点2】「中国を意識する印越関係の強化」
第2部 アジアの安全保障環境(2009年4月~2010年3月)
- 第1章 日本
- 第2章 アメリカ
- 第3章 ロシア
- 第4章 中国
- 第5章 朝鮮半島
- 第6章 東南アジア
- 第7章 南アジア
- 第8章 中央アジア
- 第9章 南西太平洋
- 第10章 地域協力
- 第11章 軍備管理
- 第12章 テロリズム・国際犯罪
- 略語表
- 年表(2009年4月~2010年3月)
- 執筆協力者一覧
- あとがき
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