2015年3月4日(水)、3回目となる「沖縄安全保障セミナー」を沖縄県立博物館講座室において開催しました。本セミナーでは、「東アジアの平和と沖縄の役割」と題して、安全保障研究の専門家による基調講演とパネル発表により、現在の東アジアの安全保障情勢を踏まえて、沖縄をめぐる問題を整理するとともに、今後について県民の皆さんと考える機会となりました。
基調講演には森本敏氏(元防衛大臣)をお招きし、「沖縄米軍基地と日米同盟」というテーマでご講演いただきました。
日本と米国の間には、米国海兵隊普天間飛行場の移設をはじめとする米軍基地問題を抱える一方、中国の海洋進出などの緊張を増す東アジアの安全保障情勢の中、日本の今後の防衛政策の方向性について、米国と相互補完的に日本の防衛を行う政策を考える必要があること、そしてこの一連の活動を通じて周辺の国々の活動を抑止していくべきことを説かれました。
基調講演に続き、土山實男氏(青山学院大学教授)の司会の下、簑原俊洋氏(神戸大学教授)が日米同盟の視点から、高木誠一郎氏(日本国際問題研究所研究顧問)が中国の視点から、また、最後に沖縄の視点から我部政明氏(琉球大学教授)がパネル発表し、その後討議を行いました。中国による東アジア安全保障への脅威は今後も拡大し続ける環境が、在沖米軍基地の将来を決定する要因となるであろうという指摘がなされました。その反面で、沖縄の環境問題に対する懸念も含め、名護市辺野古への米国海兵隊基地移転を必要としない軍備配備の必要性を強調する見解も出されました。
本セミナーには、平日にも関わらず約120名の方々にご参加いただきました。パネル発表後の会場との質疑においては、米軍基地に関するフィリピンと米国の事例との比較や、日米にとっての沖縄の価値の内容は何か、など多くの質問が寄せられ、活発な議論のうちに終了しました。また、本セミナー後の懇親会においても、約30名の方にご参加いただき、講師と参加者の間で熱心に懇談する姿が見られました。
参 考 情 報
第3回 沖縄安全保障セミナー「東アジアの平和と沖縄の役割」
[主催] 一般財団法人 平和・安全保障研究所
[助成] 独立行政法人 国際交流基金 日米センター
<基本要領>
【日時】 2015年3月4日(水) 14:00~17:00
【場所】 沖縄県立博物館 講座室
(〒900-0006 那覇市おもろまち3-1-1)
(URL: http://www.museums.pref.okinawa.jp/index.jsp )
【会費】無料
<懇親会>
【時間】18:30~20:00
【場所】ミュージアムカフェ・茶花(沖縄県立博物館内)
【会費】一般:2,000円 / 学生:1,000円
セミナー詳細
【基調講演】 森本 敏 氏(元 防衛大臣)
「沖縄米軍基地と日米同盟」
【パネル発表】(司会:土山 實男 氏 / 青山学院大学 教授)
※ 日米同盟の視点: 簑原 俊洋 氏(神戸大学 教授)
※ 中国の視点: 高木 誠一郎 氏(日本国際問題研究所 研究顧問)
※ 沖縄の視点: 我部 政明 氏(琉球大学 教授)
※ コメント: 森本 敏 氏(元 防衛大臣)