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事業概要

1. ⽬的と事業

当研究所は、我が国の平和と安全に関する総合的な調査研究機関です。研究に基づいて政策提⾔を⾏い、安全保障についての知識をひろく国⺠に普及し、これらの研究に関する国際的交流を進め、我が国の独⽴と安全に寄与することを⽬的としています。そのため、次の事業を⾏うこととしています。

  1. 我が国の独⽴と安全を確保するための総合的な政策に関する調査研究及びこれに関する提⾔
  2. 軍備管理など安全保障政策に関する調査研究及びこれに関する提⾔
  3. 平和と安全保障に関する知識の国⺠への普及
  4. 平和と安全保障に関する内外の研究機関との連携
  5. 平和と安全保障に関する図書、資料の収集整理及び公開
  6. その他、本研究所の⽬的を達成するために必要な事業

2. 運営

理事会および評議員の管理の下で、会⻑・副会⻑・理事⻑・常務理事・監事、および研究委員・研究員を含む職員により、調査・研究活動、および組織運営が⾏われています。調査研究は、研究委員が中⼼となり、プロジェクトごとに随時、専⾨家の参加を得て進めています。財政⾯では、経済界などからの寄付、法⼈および個⼈の会費、国内外の財団からの助成⾦などによって運営しています。

3. 業務内容

理事会および評議員の管理の下で、会⻑・副会⻑・理事⻑・常務理事・監事、および研究委員・研究員を含む職員により、調査・研究活動、および組織運営が⾏われています。調査研究は、研究委員が中⼼となり、プロジェクトごとに随時、専⾨家の参加を得て進めています。財政⾯では、経済界などからの寄付、法⼈および個⼈の会費、国内外の財団からの助成⾦などによって運営しています。

(3-a)調査研究

これまで次のような主題について⾃主研究または官庁委託研究を⾏ってきました。

  • アジア・太平洋地域の安全保障環境分析
  • 東アジアにおける経済危機と安全保障
  • ロシアの軍事戦略・軍事体制の動向と展望
  • ⽇⽶共同朝鮮半島研究
  • 危機管理に関する諸問題
  • ⽇⽶同盟の再活性化
  • 有事体制への法的処置ーその整備へ向けての⽐較法的アプローチの必要性
  • ⽶国の新軍事戦略及び軍事体制の今後の動向
  • 朝鮮半島の将来と⽇本の安全保障
  • 中国の情勢と⽇本の安全保障
  • 東アジアにおける集団安全保障体制の構築について
  • ポスト産業社会(情報社会)における国⺠の価値観の変化とその影響
  • 東アジアの核脅威削減研究
  • 国際関係の変容と将来戦争
  • ミャンマー、カンボジアの域内協調戦略

(3-b)研究奨学事業︓⽇⽶パートナーシップ・プログラムの実施(国際交流基⾦の助成)

外交・国際安全保障分野における将来のオピニオンリーダーを養成するため、1984(昭和59)年から各期、若⼿研究者7名について1期2年間の研究奨学事業を⾏っています。

(3-c)普及啓発活動

  • 年報『アジアの安全保障』の発⾏
  • 書籍の発⾏
  • Policy Perspectivesの発⾏および配布
  • RIPS特別報告書の発⾏および配布
  • セミナー・講演会の開催
    • ⽉例研究会(毎⽉1回・東京都港区)
    • 公開セミナー(毎年2回・東京都新宿区)
    • 関⻄安全保障セミナー(毎年1回・⼤阪府⼤阪市)
    • 沖縄安全保障セミナー(隔年1回・沖縄県那覇市)

(3-d)海外の研究者の受け⼊れ

安全保障問題を研究する外国の若⼿研究者・インターンを受け⼊れ、当研究所における研究活動を⽀援しています。

(3-e)国際交流

  • 外国の専⾨家を招いて⾏う国際セミナー
    • 「⽇本・カナダ会議」/「⽇韓戦略協⼒対話」等
  • 外国の研究機関との共同研究
    • 「⽇⽶越3ヵ国協⼒会合」等

 

設⽴の経緯

我が国では、戦争の深刻な体験から平和への願望が極めて⾼く、それは今⽇、平和憲法が国⺠に定着したとされていることにも現れています。しかし⼀⽅、⼈々は国際社会の現実から離れた抽象的な平和議論に流れやすい⾯を併せ持っており、安全保障の具体的政策については、とかく⾃衛隊と⽇⽶安全保障体制の存在に任せ、そのこと⾃体の意味を問うことが少なく、また総合的な安全保障政策についての建設的な意⾒もあまり聞かれませんでした。

しかしながら政治、経済、軍事のいずれの分野をとっても、国際関係の現実は⼤変厳しい現実があります。このような中で我が国の平和と繁栄を維持するためにどう考え、どう対処すべきかという問題があり、更に進んで、外国からは既に⼤国と⽬されている我が国が、国際社会の平和と発展のために何をなすべきかという問題があります。

近年、安全保障の問題について国⺠の関⼼が⾼まり、有識者やマスコミの間でも論ぜられることが多くなりました。外国ではこの問題について官⺠の研究が進んでおり、ことに⺠間の研究機関が実質的に政府に対し政策を理論付け、あるいは政策を先取りする⽴場にあることも少なくありません。例えばイギリスの国際戦略研究所、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所、アメリカのランド・コーポレーションやブルッキングス研究所その他数多くの研究機関がそのような役割を果たしていると思われます。それらに⽐べて、我が国の平和と安全保障に関する研究機関の体制は、著しく遅れております。

このような背景の下に、1978(昭和53)年10⽉、防衛庁及び外務省を主務官庁とする「財団法⼈ 平和・安全保障研究所」が設⽴されました。当研究所は、各界の専⾨家の協⼒により、⾃由かつ客観的な⽴場から、平和と安全保障に関し調査研究を⾏い、政府の政策⽴案に寄与するとともに、資料の提供などを通じてひろく⼀般国⺠の啓発に務め、さらに国際交流を深めて我が国の正確な実像を外国に知らせることを⽬標としております。

21世紀は世界情勢が更に複雑・混迷化することが予想される時期です。このときに当たって私どもは、⽇本と世界の平和と安全保障の問題について、少なからず貢献を致したいものと念願している次第です。