第2回 関西安全保障セミナー2009「日本の安全を考える」
平和・安全保障研究所では、関西方面における活動を展開するため、設立30周年の記念行事の一環として、昨年「関西安全保障セミナー」を立ち上げた。第2回目となる今回は去る11月21日(土)、大阪大学大学院国際公共政策研究科国際安全保障政策研究センターと共催で、大阪大学中之島センターで開催した。会の開催にあたっては国際交流基金日米センターの助成を受けた。晩秋の晴天に恵まれ、100人ほどの教員、学生、防衛省関係者などからの参加があった。
セミナーは当研究所安全保障研究奨学プログラム第7期生である司会者の星野俊也大阪大学大学院教授の挨拶、西原正当研究所理事長による挨拶に続き、第一部の村田晃嗣同志社大学教授(同プログラム第4期生)による基調講演が行われた。第二部では星野教授を司会として、浅野亮同志社大学教授(同プログラム第1期生)、松村昌廣桃山学院大学教授(同プログラム第6期生)、上杉勇司広島大学大学院准教授(同プログラム第12期生)、楠綾子大阪大学講師(同プログラム第12期生)のパネリストによるパネルディスカッションが行われた。
「民主党政権の安全保障政策」と題した基調講演で村田氏は、8月の選挙による政権交代やその後の経過、さらには政権交代の日米比較などに触れながら、現時点での民主党政権の政策への評価や今後の政局への展望、さらには日本の安全保障政策に関する長期的な問題について述べた。
続いて「日本の新しい国際的役割」と題したパネルディスカッションでは、星野氏を司会として、浅野氏が「『台頭する中国』と日本の対応」、楠氏が「日米同盟において日本は何をすべきか」、上杉氏が「平和構築という関連で日本は何をすべきか」、松村氏が「今後の日本の防衛政策」と発題を行った。発題に続きパネリスト間によるディスカッションと会場からの質疑と応答が行われ活発な議論が展開された。
セミナーの後、懇親会が開催され、関係者、参加者たちとの間で賑やかな交流があった。来年度以後もセミナーを継続することに対して強い期待が寄せられ、参加者は皆、再会を約束して会は幕を閉じた。
なお、セミナー参加者の所属大学は、大阪大学、大阪国際大学、神戸大学、同志社大学、広島大学、桃山学院大学、立命館大学などであった。また防衛省関係では、陸上自衛隊中部方面総監部、海上自衛隊舞鶴地方総監部、航空自衛隊幹部候補生学校、近畿中部防衛局、大阪防衛協会などであり、このほか企業関係者からも多くの参加者があった。
参 考 情 報
第2回 関西安全保障セミナー 2009「日本の安全を考える」
[共催]一般財団法人 平和・安全保障研究所 / 大阪大学大学院 国際公共政策研究科 国際安全保障政策研究センター
[助成]独立行政法人 国際交流基金 日米センター
<基本要領>
【日時】2009年11月21日(土)
【会場】大阪大学中之島センター 10階 佐治敬三メモリアルホール
<懇親会>
【時間】17:30~19:30
【場所】大阪大学 中之島センター9階 交流サロン
セミナー詳細
<基調講演>
村田 晃嗣 氏(同志社大学 教授)
「民主党政権の安全保障政策」
<パネル討論:日本の新しい国際的役割>(司会:星野 俊也 氏 / 大阪大学大学院 教授)
〇松村 昌廣 氏(桃山学院大学 教授)
〇上杉 勇司 氏(広島大学大学院 准教授)
〇楠 綾子 氏(大阪大学 講師)
※共催や助成の機関名および講演者等の肩書はすべて開催当時のものです。